Category
会社勤めをしていても、仕事のしやすい相手と、仕事のし難い相手というリストが、それぞれの胸の内にはあるでしょう。会社勤めをしていれば、それが仕事に直接影響することは少ないのかもしれませんが、例えば営業マンで飛び込んだ先に気に入られる人と、嫌われてしまう人とでは、営業成績に如実にその差が表れてしまいます。フリーランスはこの営業マンのような側面を持っています。つまり人好きがするフリーランスには、実力にそれほどの違いがなくても、なぜか仕事が集まってしまうのです。
一般的な職人気質と呼ばれるものは、腕はピカイチだけれども取っつきにくくて一癖あるようなイメージですが、エンジニアもどちらかといえば人付き合いが苦手で自分の得意分野に引き籠っているタイプが少なくありません。会社勤めであっても、コツコツ真面目に仕事をしているのが評価された一昔前とは価値観も変わり、自己喧伝が上手くなければやって行けない世の中になっています。
口先だけで世渡り上手な人というものは、周囲のやっかみもあるのか、日本ではあまり良く思われないものです。しかし、いやしくもフリーランスとして自分の腕一本で生活の糧を稼ごうと考える場合には、自分で自分の実力を売り込むことが出来なければ、誰の目にも止まることはないでしょう。もちろん飛び抜けた実力で、周囲から一目置かれる存在にまで上り詰めれば、話は別です。このような場合にはその実力があればこそ、寡黙さがより人物の価値を引き立ててくれるのです。しかし残念ながら周囲を見渡せば、実力が同レベルの人があちこちにいるという通常の場合には、クライアントに気に入られるような、人好きのする面があると大変有利になるのです。
クライアントもフリーランスと付き合うのは、まず第一に期待通りか、それ以上の仕事をしてもらえる場合です。そしてそのクライアントの期待とは、必ずしも安ければ良いわけではありません。むしろ安ければ良いというクライアントであれば、ビジネスライクに割り切って、少しでも安く依頼出来るフリーランスが見つかれば、あっけなく縁が切れてしまいます。しかし世の中はそのような価値観だけではありません。むしろ仕事の完成度や速さやきめ細やかな配慮など、クライアントの要望に合わせて柔軟な対応をしてくれるフリーランスと長く付き合うことを望んでいる場合も多いものです。というのもエンジニアの仕事は、初めの構想が良くも悪くも後々の運用に影響を及ぼすような、システムやWebサービスなどの開発を任されるのであり、品質が保証されればクライアントの信頼は高まるものなのです。そしてこのクライアントの要望を適格に見抜くという点が、人たらしの人たらしたる所以なのです。