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IT系エンジニアとしてのスキルがあれば、食いっぱぐれることは無い。と、安心していませんか?確かにエンジニア職はいわゆる「手に職」であり、活躍シーンであるIT産業は成長産業です。しかし、ぼんやりしていると思いもよらない落とし穴にはまるかもしれません。会社に依存している以上、その落とし穴は常に目の前にあると言っても過言ではありません。
会社員として働くか、独立してフリーエンジニアとして働くか。それは、人それぞれの価値観であり、どちらが正解とも言えません。ただ、会社員として働くなら気をつけなければならないのは、会社に依存しきってしまうことです。
会社員は、仕事があろうが無かろうが、雇用されている間はお給料をもらえます。自ら仕事をとってくるような努力は無用で、会社から与えられた仕事さえこなしていれば生活が成り立ちます。勤務先によって差はあるものの各種保険などの福利厚生もあり、社会的信頼も得られます。これはまさに会社員として働くことのメリットです。
一方、会社員には仕事を選ぶ自由はありません。会社という組織の一員として、上からの指示を受け、与えられた業務に従事することが義務づけられます。エンジニアとして今の仕事がつまらない、興味のない案件ばかり回されるというのはまだいい方です。エンジニアだからと言って、いつまでもエンジニアの仕事をさせてもらえるとは限らないのです。ある日突然、会社の都合で営業部に配属されるかもしれません。在庫管理に回されることもありえます。地方転勤の辞令を受けることもあれば、出向になることもありえます。その時、自らの力で違う働き口を見つけられなければ、甘んじて従うしかなくなってしまいます。
これが、会社に依存するエンジニアを待ち受ける落とし穴です。
プロジェクトの中止や大規模な経営方針の変更などが起これば、どんなに優秀なエンジニアであってもリストラの対象になる可能性は十分にあります。リストラまでは行かずとも、エンジニアとしてキャリアを積んできたものにとって、エンジニア以外の業務に就かされるというのは、おそらく苦痛以外の何物でもないでしょう。
会社員として働くにしても、会社に依存してはいけないのです。ワークスタイルとしては会社員であっても、いつでも自分の意思で他の会社に転職できるという力と自信をつけること。今の会社を辞めても、食べていく道をすぐに見つけられること。それが、エンジニアの自立です。
身の危険が迫ってから慌てても、時すでに遅しです。だからこそ、できるだけ早い段階でエンジニアとしてのキャリアデザインを描いておくことが重要になるのです。将来的に、どういうエンジニアを目指すのか、エンジニアとしてどのようなライフプランを目指すのかという将来設計を描き、その実現に向けて、具体的に実行すべきことは何なのかを考えましょう。何歳からでもキャリアデザインを描くことはできますが、遅くなればなるほど、理想と現実のギャップは開きます。20代など早いうちに描くことで、より多くの準備ができます。
キャリアデザインが見えれば、今やるべきことが見え、働き方にも変化が起きます。会社員として自立するのか、フリーエンジニアとしての道へ進むのかという選択肢にも自ずと答えが出るでしょう。